Palette TokenとIEO
今回は株式でいうところの新規公開株の暗号資産版(仮想通貨)について話したいと思います。
暗号資産にもそういうのが存在していたんだね。やっぱり資金調達の仕方にも種類があるの?
そうなんですよ。ICOやIEOなどあって資金調達が異なっています。今回は暗号資産の国内取引所であるCoincheckさんがIEOを初めてするので、そのことについてお話したいと思います。
コインチェック(Coincheck)さんは、企業が発行したトークン等を審査して、資金調達を支援するサービスを始めました。
今回が日本初の「IEO」で「Palette Token」という商品を2021/7/1~2021/7/15の間に販売します。
以降本記事で詳しくお伝えしますが、コインチェックで公式アナウンスがあるため、以下にリンクを載せておきます。
「IEO」とは、Initial Exchange Offeringの略で、株式でいうところの新規公開株に該当するものです。
企業やプロジェクトが資金を調達するために新しいトークンを発行し、取引所が審査をして合格したものが新規上場となり、取引所で販売が行われます。
海外取引所では「IEO」が行われることが多く、その中でBinanceさんなどは有名です。
本記事では「Palette Token」についてと、「IEO」の過去の傾向と、実際に買いなのか予想をお伝えします。
是非投資の判断にしていただければと思います。
IEO参加に関する注意事項
IEOへ参加するためには、Coincheckの口座開設を完了している必要があります。
まだ開設されていない場合は、アカウントを登録して、本人確認を済ませください。
購入の際に以下の2つを満たしている必要があります。
・余剰資金(資産残高)が100万円以上であること
・※暗号資産の取引歴があること
※Coincheckや、他の販売所や取引所での取引
抽選について
Palette Tokenは販売対象となる口数を超えているため、購入は抽選となってます。
抽選の結果、申込口数の一部のみ当選する場合があります。
申し込み口数に対し一部の口数が当選する可能性があるので、ご注意ください。
手数料について
Palette Tokenの購入には、手数料がかかります。
8%と高めに設定されているので、お気を付けください。
総論
まず本記事を最後までご覧頂くと非常に長くなっています。
そのため、「総論」と「Palette Tokenについて」を見て頂ければ、大まかな概要が分かります。
さらに資金調達をする会社の概要・決算や、ホワイトペーパーなどの技術的な話を知りたい場合は、最後まで本記事をご覧ください。
まず結論から述べると、パレットが買いかというのは、
リスクの捉え方によって変わるからです。
リスクはあるけど、素早く稼ぎたいならば、
初値の予想価格としては、24~15円と予想します。
地合いが悪いため、売りが過熱して5~8円付近になるかもしれません。
個人的戦略
私個人は、ある程度の資産を持っており、
twitterなどで見ると、
リスキーではありますが、国内初IEOとして注目を浴びているの
資産が少ない人は投資額の1.5〜2倍あたりで、
上手く指せると勝ち抜けできます。
Coincheckのマーケットは、国内では大きいですが、IEOで成功
売りが圧倒的に多く、買いが少ないと売り抜けできずに、
後ろ向きな意見を記載しましたが、皆さんに情報を提供するために、10万円分IEOに参加するつもりです。
最良のシナリオ
購入後の最もいいシナリオは初値が販売価格の数倍となり、価格がしばらく維持されることです。
今回のIEOの購入者は、暗号資産初心者から上級者までと幅が広いため、読みづらいところがあります。
日本国内初のIEOということで、注目度からご祝儀がついて後続の購入が続いてくれると、イージーゲームです。
最悪のシナリオ
投資家であれば最悪のシナリオも考える必要があります。
売りに出しても買い手がつかず、販売価格の4.05円を割ることです。
初値からじりじりと下がっていき、売り抜けできずに、資金の流入が先細ることは最悪といえます。
現実的なシナリオ
初値が販売価格の数倍となり、売り抜けによって4円~8円を推移することが考えられます。
売りが多い場合、望んだ金額で売り付けられないので、IEO購入者の一定層がホールドして、価格がしばらく横ばい状態と予想できます。
抽選から漏れた人や、一般の投資家にIEOの販売価格以上で欲しい人がどれだけいるかの勝負となります。
暗号資産としての位置付け
Palette Tokenは国内初IEOとしての話題が先行して、
率直にNFTの市場はパレットに任せる必要があるのか?
更に独自性・唯一性が低く、
NFTの市場は、イーサリアムが中心になっており、
Paltte Tokenも「ERC20」というイーサリアムの規格で、
イーサリアム(ETH)が一番
今後ブロックチェーン上でNFT関連のトークンが出る場合、
NFTだけではなく、色々な技術がイーサリアム上で実験されています。
イーサリアム上での開発が活発になるほど、イーサリアムの価値は高まっていきます。
もちろん、イーサリアムには課題があり、大きなプラットフォームであるため、
新しい技術を開発するには、イーサリアムから切り出しをして、
Palette TokenがNFT市場を牽引して、
暗号資産として存在が曖昧なリップルや、ERC20で成功したV
Palette Tokenについて
「Palette Token(PLT)」は、Palette(パレット)と呼ばれるデジタルアイテムのやり取りをするネットワークで使用するトークンです。
トークンとは価値を含んだ代替品で、通貨、チケット、ポイントなどを指します。
曖昧に感じるかもしれませんがトークンとは、通貨よりも大きな概念となります。
デジタルアイテムとは、インターネットなどの電子上に存在している商品のことです。
代表的なものとして、絵などの芸術品や、ゲームなど電子的価値があるモノとなります。
その中でもNFTは、デジタルデータの市場、流通を多くする可能性があり非常に注目をされています。
「Palette Token(PLT)」は、NFTの発行・管理・流通をするために生み出されました。
NFTについて知らない方は、当サイトで記事を作成しているので、是非ご覧ください。
Palette Tokenの大きな特徴
Palette Tokenの目立つ特徴を4つにまとめてみました。
1.プライベートチェーンを使用
Palette(パレット)ではNFTに特化するため、パブリックチェーンではなく、「プライベートチェーン」を使用しています。
2.ガスレス設計
PaletteはNFTの普及のために、NFTを購入、送付する際の「手数料は無料」としています。
3.クロスチェーン対応
Paletteは、他ブロックチェーンでもNFTが流通できるように、イーサリアム(ETH)や、ネオ(NEO)のクロスチェーンに対応しています。
4.ガバナンスの委任
パレットコンソーシアムに参加するメンバーは、ブロックチェーンの仕様を変更する際に、PLTに応じた議決権を持っています。
持っているPLTを別の人に紐づけることで、議決権を委任することができます。
販売会社概要
Palette Tokenで資金を調達する会社についての情報となります。
全てではありませんが、簡単に概要をまとめています。
Coincheckの公式ページから確認できますので、より詳しく知りたい方は参照ください。
販売概要
発行者 :株式会社Hashpalette
発行トークン :Palette Token(PLT)
総発行枚数 :1,000,000,000 (10億)枚
販売総数 :230,000,000 枚(総発行枚数の23%)
販売総額 :931,500,000 円
申込開始日時 :2021年 7月 1日 午前12時00分
申込終了日時 :2021年 7月15日 午後06時00分
販売価格 :4.05円/PLT
申込単位(1口) :1,000 PLT
申込上限口数 :2,400 口
手数料率 :8%(消費税含む)
手数料 :申込金額に手数料率を乗じた金額(消費税含む)
払込金額 :申込金額と手数料の合計金額
ミニマムキャップ:609,000,000 円
販売成立条件 :申込金額の総額がミニマムキャップ以上になること
抽選日 :2021年 7月 20日
抽選方法 :ランダム抽選(口数ごとに抽選を実施、部分当選あり)
受渡日 :2021年 7月 20日
発行者概要
■沿革:株式会社Hashpalette は、マンガを中心とした電子書籍分野において日本でリードし、東京証券取引所に上場している株式会社Link-U と、ブロックチェーン関連分野で豊富な実績を有する株式会社HashPort の2社によるジョイントベンチャーとして、2020 年 3月2日に設立された。
代表取締役には、上記出資会社のそれぞれの代表取締役である松原 裕樹及び吉田 世博の2名が設立以降就任している。
2021年3月2日にパレットのコンソーシアムブロックチェーンのテストネットをローンチした。
■事業概要:株式会社Hashpalette(発行者)NFT(Non-Fungible Token)を重点領域として、ブロックチェーン技術の研究開発やブロックチェーンを利用したコンテンツ事業開発のほか、コンテンツ領域におけるコンサルティングサービスも提供している。
また、2021年3月2日にパレットのコンソーシアムブロックチェーンのテストネットをローンチした。
■発行者の経歴:①吉田 世博(共同創業者/代表取締役 Co-CEO)2013年慶應義塾大学法学部卒後、2016年ボストンコンサルティンググループに入社。
同社のデジタル事業開発部門であるBCGDigital Venturesにて、東京オフィス最年少のVenture Architect(投資・事業開発担当者)として日本及び中国でのプロジェクトに従事。
2018年に株式会社HashPortを創業し、代表取締役に就任。
国内暗号資産交換業者にコンサルティング・システムの提供を行う他、IOST、Enjin、Qtum、Tron、Tezos、Ontology、Neoなど多くのプロジェクトの日本展開も支援している。
また、東京大学工学系研究科共同研究員、慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート「暗号資産研究プロジェクト」共同研究メンバーを務めている。
②松原 裕樹(共同創業者/代表取締役 Co-CEO)楽天、サイバーエージェント及び電通での経験を経て、2013年8月に株式会社Link-Uを創業し、2014年12月に代表取締役社長に就任。
「電子書籍」や「動画配信」の分野において実績と強みを持つ。
サーバー開発・アプリケーション開発・運用をワンストップで行い、小学館との協業による漫画アプリ「マンガワン」やNHKとの共同開発による「ポケット語学」などを提供している。
■決算
貸借対照表 | |||
資産の部 | 負債の部 | ||
流動資産 | 62,454,229円 | 流動負債 | 26,681,925円 |
固定資産 | 10,855,300円 | 固定負債 | – |
繰延資産 | 529,935円 | 純資産の部 | |
資本金 | 70,000,000円 | ||
利益剰余金 | △22,842,461円 | ||
資産合計 | 73,839,464円 | 負債・純資産合計 | 73,839,464円 |
【第1期決算公告】
当期純利益:△22,842,461円
利益剰余金:△22,842,461円
資金調達の使途詳細
35%:パレットグラントプログラム
パレットチェーンを用いて発行されるNFTを活用したアプリケーションの開発を促進するため、パレットグラントプログラムを実施します。
調達した資金の35%はパレットエコシステムを拡大し、活性化させるアプリケーションの開発に用いられる。
28%:マーケティング
パレットエコシステムのマーケティングによるユーザーの拡大、およびパレットを利用する新規コンテンツの獲得などエコシステムの拡大に使用される。
12%:コントラクター
パレットの安定した運用において必要となる、適切なPLTの配布・流通や法的整理のために利用される。
8%:オペレーション
パレットエコシステムの維持管理における人件費として利用される。
17%:予備費
予備費用として保管される。
※最終的な資金調達額が確定した後に、資金使途割合については変動する可能性がある。
ホワイトペーパー概要
Coincheck上にあるホワイトペーパーを要約していきます。
詳しく知りたい方は、以下のリンクから原文を確認することができます。
※Coincheckのアカウントがあり、ログインする必要があります。
Palette(パレット)は、デジタルアイテムを発行・管理・流通するためのブロックチェーンネットワークです。
従来の電子情報の多くは、現実世界にあるものを複製可能なデータとして、扱い普及がされてきました。
Paltteでは、漫画・スポーツ・音楽といったコンテンツをNFTとして、ブロックチェーン状で実現し、デジタルデータの価値を担保して、新たな市場を見出します。
3つの特徴
パレットはNFTの基礎的な3つの特徴を持っています。
・データの唯一性
・安全で透明性のある二字流通
・サービス間での相互利用
パレット上で発行したNFTは、イーサリアム上などの他アプリケーションで使用することができます。
NFT市場の背景
NFT市場は、2017年のクリプトキティと呼ばれるイーサリアムのトークンから、徐々に拡大を見せてきました。
インターネットを使用するユーザーの1日の使用時間は、年々増えており、現実と仮想現実の境界が曖昧になりつつあります。
今後、デジタルデータを上手く扱えると、インターネットの世界は更に加速します。
その中でNFTは重要な役割を果たし、パレットはその一端を担う事ができます。
NFTの課題
NFT市場の可能性は大きいものの4つの課題があります。
・ガス手数料の不安定
・ガス手数料によるユーザー体験の低下
・クロスチェーンインフラの不足
・ブロックチェーンに対するガバナンス
現在、NFTの多くのアプリケーションは、イーサリアム上で動いています。
通貨であるETHの高騰により、手数料であるガスも高騰します。
また、ネットワークの混雑時により、ガスを支払う量も多くなります。
手数料の高さは開発する事業者にも、使用するユーザーにも影響を与えます。
NFTを使用するユーザーに躊躇いが生まれ、体験する可能性を奪ってしまいます。
複数の異なるブロックチェーン間でNFTを移動するために、クロスチェーンが必要です。
しかし、クロスチェーンのインフラ整備は、十分に進んでいません。
イーサリアムなどの巨大プラットフォームは、ステークホルダーが多くいるため、NFTだけのためにブロックチェーンの仕様を変更することは困難です。
さらに仕様変更の合意を取るために時間を多く要します。
課題への解決方法
これらの課題に対して、パレットとはイーサリアム上でNFTを発行するのではなく、NFTに特化したプライベートチェーンの利用を提案します。
複数企業によって構成されるパレットコンソーシアムによって、ブロックチェーンの運営を行うコンソーシアム型プライベートチェーン「パレットチェーン」の構築を行います。
1.ガス手数料の改善
イーサリアムのように汎用的なアプリケーションプラットフォームではなく、NFTに機能を限定させたため、ネットワークのアクセスも限定されて、ガスの手数料を安定させられます。
2.ガスレス設計
パレットでは購入、送付する一般ユーザーには、ガス手数料を無料としています。
3.クロスチェーン対応
イーサリアム、ネオ、オントロジー等のブロックチェーン間で、NFTを自由に移動できます。
4.コンソーシアムによるガバナンス
NFT流通のためだけの意思決定を行う機関を設けます。
パレットではプライベートチェーンを利用するため、中央集権的な運用がされてしまいます。
しかし、コンソーシアムを分散的に構築するため、中央集権への偏りは回避しています。
プロジェクトとの全体像
NFTの発行をする際は、PLTをガス手数料とします。
PLTは投票機能を持ち、ガバナンスへの参加ができます。
ガバナンスへの参加の報酬としてPLTが貰えます。
コンセンサスアルゴリズムはPoA(プルーフオブオーソリティ)を使用しています。
設計概要
パレットチェーンの概要
パレットチェーンは、Quorumで構築されるプライベートブロックチェーンです。
QuorumはJPモルガンで開発されたイーサリアムベースのプライベートブロックチェーンです。
ブロックチェーンの名称 | パレットチェーン(Palette Chain) |
技術基盤 | Quorum |
主な用途 | ・NFTの発⾏と流通
・発⾏したNFTを利⽤したアプリケーションの構築 |
コンセンサスアルゴリズム | プルーフオブオーソリティ(Proof of Authority, PoA) |
ノード運用主体 | パレットコンソーシアム |
ノード運用の報酬 | PLT |
報酬の配布 | ・ノード運⽤報酬:ロックされているPLTの枚数に従って配布
-各メンバーがロックしているPLTの枚数 -各メンバーが委任によって獲得したPLT数 ・ユーザー報酬:エコシステムへの貢献度に応じて配布 |
ガス手数料設計
ガス手数料が発生するのは、以下の2つとなります。
・NFTコントラクトの発行
・NFTの発行
パレット報酬にプールされるPLT = NFTコントラクトの発行+ NFTの発行
報酬分配設計
パレット報酬プールにあるPLTの総数 = エコシステム報酬+ガス手数料
エコシステム報酬は、PLT総発行量の34%とし、6年後には0となります。
ノード運用報酬
ノード運用のためにロックしているPLTの枚数により、もらえる報酬が異なります。
式は詳細は公式のホワイトペーパー参照ください。
ユーザー報酬
パレットエコシステムに参加するユーザーに与えられる報酬です。
ノード運用と同様に、保持しているPLT枚数により報酬が異なります。
式は詳細は公式のホワイトペーパー参照ください。
委任
ガバナンスに参加して欲しい人へ委任することが可能です。
委任とは保有するPLTを特定のメンバーに対して、スマートコントラクトで紐付けし、ロックすることです。
ガバナンス機能
パレットコンソーシアムに参加するメンバーは、パレットチェーンに対する議案の是非を決めることができます。
メンバーの2/3以上が賛成した案が実装されることになります。
PLTはイーサリアム上で発行されるERC20のトークンです。
PLTの発行枚数の上限は10億枚としていますが、投票の2/3以上の賛成があれば、更に新規発行できます。
投票の権限はPLTの保有枚数に依存します。
議案には、ガス手数料などの変更など、ユーザーに関わる大きなものが考えられます。
クロスチェーン技術
チェーンを行き来する場合、リレイヤー、ポリチェーンを介して、データの転送がされます。
例えば、イーサリアムにクロスチェーンする際は、パレットチェーン→リレイヤー→ポリチェーン→リレイヤー→イーサリアムの順に移動します。
NFTの仕様
イーサリアム上で発行されるNFTはPRC721と呼ばれる規格で用いられており、パレットチェーンでも同様にPRC721の規格で実装がされている。
まとめ
いかがだったでしょうか。
【IEO】コインチェックのPalette Tokenは買いなのか予想してみたと題して、情報をお伝えしてきました。
最後までご覧いただきありがとうございます。
公式の情報が多く、そこからまとめたつもりですが、それでも長くなってしまいました。
日本初のIEOということでご祝儀価格が付くかもしれませんが、売り抜けができるかは蓋を空けてみないと分かりません。
IEOの価格で買いたい人はいるかもしれませんが、1PLTが8円で買いたいという人がどれだけいるかは検討がつきません。
話題性で買うのではなく、Palette Tokenの開発環境が素晴らしいや、プロジェクト・技術が良いと思ったら買いと思っています。
儲かる儲からないで購入して、後悔しないようにしてください。
自由を掴むため、これからも一緒に学んでいきましょう。
それではまた!
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